先日、近所のカフェの前を通ったとき、黒板に「抹茶ラテ」と書いてありました。
最近あちこちで見かけるようになって、若い方にもずいぶん人気があるようです。お茶を長年やってきた身として、うれしいような、少し複雑なような……そんな気持ちで眺めていました。
ふと思ったんです。カフェの抹茶ラテと、私がお稽古で使っているお抹茶って、同じものなのかしら、と。
見た目は確かに似ています。でも、何かが違う気がする。茶道を長くやっていれば直感でわかるのですが、「何がどう違うのか」をちゃんと説明できるかといわれると、自信がありませんでした。気になってしまったので、少し調べてみました。
使っているお茶の種類が違います
まず、原料から違いました。
茶道で使うお抹茶は、「碾茶(てんちゃ)」という茶葉を石臼でゆっくりと挽いたものです。碾茶は栽培の段階から手間がかかっていて、収穫前に日光を遮って育てます。こうすることでうま味が増し、あの深い緑色と豊かな香りが生まれます。
一方、カフェなどで使われる「抹茶パウダー」は、加工や用途が少し異なるものがほとんどです。もちろん品質の高いものもありますが、ミルクや砂糖と合わせることを前提に作られているものが多く、茶道で使う抹茶とは別物と考えたほうが自然なようです。
点て方の違いが、あの泡を生む
もうひとつ気になっていたのが、「泡」のことです。
茶道でお抹茶を点てると、きめ細かくなめらかな泡が生まれます。あの泡は、茶筅で素早く空気を含ませることで作られるもので、機械では同じようにはできないそうです。
調べてみてなるほどと思ったのですが、泡立ちの質は抹茶の成分だけでなく、点てる人の技術にも関わっているんですね。茶筅の動かし方、お湯の温度、量のバランス——長年のお稽古の中で体が覚えてきたことが、あの一碗に出ているんだと、改めて感じました。
調べてみてよかったと思うこと
正直なところ、「抹茶ラテ」という言葉を聞くたびに、少しそわそわしていた自分がいます。「本物のお茶とは違う」と思いながらも、うまく説明できていなかったから。
でも調べてみると、カフェの抹茶ラテはカフェの抹茶ラテで、ちゃんとした文化として根付いていることがわかりました。日本のお抹茶文化が世界に広がっていくきっかけになっているのは、本当にうれしいことです。
ただ、本来のお抹茶の香りや味わい、点てる所作の美しさは、やはり茶室の中でないと伝わらないものだとも思っています。抹茶ラテをきっかけに、本物のお稽古に興味を持ってくださる方がひとりでも増えたら——そんなことを思いながら、今日も一服点てました。
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