七月になりました。文月(ふみづき)です。
お茶の暦では、七月はどんな月なのか。設えや行事をまとめてみます。
七月の茶室は涼が主役
七月は暑さが本格化する月。茶室の設えは、いよいよ涼しさ最優先になります。
道具は、ガラス(義山)の水指や平茶碗。籠の花入れ。掛け軸は「瀧」「清流無間断」など水の言葉。簾(すだれ)をかけて、目にも風を通します。
点前にも夏らしいものがあります。洗い茶巾といって、平茶碗に水を張って茶巾を仕組み、水の音を聞かせる点前。葉蓋といって、水指の蓋の代わりに梶の葉などを使う点前。水の音や緑の葉で、涼を差し上げる工夫です。
七夕と茶の湯
七月最初の行事は七夕です。七夕は五節句のひとつ「七夕(しちせき)の節句」でもあります。
茶席では、梶の葉の趣向がよく使われます。昔は短冊ではなく梶の葉に願いごとを書いたそうで、葉蓋の点前に梶の葉を使うと、それだけで七夕の趣向になります。
お菓子は天の川や星をかたどったもの。きらきらした錦玉のお菓子が出ると、子どものように嬉しくなります(笑)。
土用と暑中
七月の後半には土用の入りがあります。土用といえば鰻ですが、あんころ餅を食べる「土用餅」の風習もあります。
暑中見舞いを書くのもこの時期です。私は毎年、お茶のお仲間に数枚だけ、筆で暑中見舞いを書きます。字は上手ではありませんが、筆を持つ時間そのものが、心を静めてくれます。
朝茶事の季節
七月から八月の暑い盛りには、「朝茶事」といって、朝の涼しいうちに行う茶事があります。朝六時ごろ席入りして、昼前には終わる。夏ならではの茶事です。
朝顔の咲く露地、打ち水の匂い、まだ涼しい風。一日でいちばん気持ちのよい時間にお茶をいただく贅沢は、格別のものです。
暑さも設えのうち
「暑い暑いと言わないで、暑さを楽しみなさい」と義母に言われたものです。
暑いからこそ、一滴の水音が涼しい。汗をかくからこそ、一服のお茶がおいしい。七月のお茶は、そういうことを教えてくれます。
今月も、暑さと仲良くしながらお稽古を続けていきます。

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