雨の日のお稽古でした。窓の外の雨音を聞きながらのお点前は、それはそれで良いものです。
とはいえ、雨の日に着物で出かけるのは気を使うもの。今日は雨の日のお稽古やお茶会の心得を書いてみます。
雨の日の着物、私の対策
まず雨コート。着物の上にすっぽり羽織る雨用のコートです。一枚持っていると安心です。撥水加工の風呂敷で代用される方もいます。
履物は、雨の日用の爪皮(つまかわ)つきの草履か、雨草履。足元の泥はねが一番の大敵です。
そして裾を少し高めに着付けます。ほんの少しのことですが、裾の汚れがずいぶん違います。
替えの足袋は必ず持って
雨の日に限らずですが、替えの足袋(または白い靴下)は必ず持っていきます。
履いてきた足袋は、どんなに気をつけても道中で汚れています。会場に着いたら控え室で新しい足袋に履き替える。これが茶席のたしなみとされています。
義母からは「足袋の汚れは心の油断」とまで言われました。厳しい言葉ですが、清潔な足袋に履き替えると、気持ちまであらたまるのは本当です。
濡れた傘や荷物はどうする?
お茶会では、濡れた傘やコートは席に持ち込みません。受付や控え室で預かってくださることがほとんどです。
荷物を包んでいく風呂敷が濡れたときのために、乾いた風呂敷をもう一枚。ビニール袋も何枚かバッグに入れています。濡れたものを持ち帰るのに重宝します。
雨の日ならではの良さもあります
ここまで対策の話ばかりでしたが、雨の日のお茶には、晴れの日にない趣があります。
露地の石が濡れて黒々と光る。庭の緑が深くなる。茶室に雨音が響く。禅語に「聴雨」という言葉があるくらい、雨は昔から茶人に愛されてきました。
「雨の日は道具が湿気るから嫌ねえ」と言いながら、皆どこか楽しそうにしているのが、お茶の人たちです(笑)。
雨を楽しむ心
お茶を長く続けて思うのは、お茶が「思い通りにならないことを楽しむ」稽古だということです。
雨なら雨の設えがあり、雨の話題があり、雨の美しさがある。天気ひとつで嘆かない心を、お茶が育ててくれた気がします。
次の雨の日、少しだけ楽しみにしてみてください。雨音のなかの一服は、格別ですよ。

コメント