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七十二候「涼風至」、暦の上の秋風のこと

暦の上では、もう秋なんですね。

8月7日に立秋を迎えると、七十二候は「涼風至(すずかぜいたる)」に変わります。「涼しい風が吹いてくる」という意味だそうです。

気になって調べてみました。

七十二候というのは、一年を七十二に区切って自然の変化を表したものです。「涼風至」はその第三十七候で、立秋の初候。2026年は8月7日頃から8月11日頃にあたるそうです。

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体感と暦のずれが、なんだか不思議で

でも、8月7日といえば、まだ真夏ですよね。

実際に「涼しい風」なんて、とても感じられそうにない。窓から見える庭の緑も、ぐったりとしたままです。今年の夏は膝の具合で思うように動けず、庭に出ることも難しくて。水やりも短時間で済ませるしかない日が続いています。

それでも、朝の空気が少しだけ変わったような、そんな気がすることがあります。気のせいかもしれません。でも、「涼風至」という言葉を知ってから、朝の窓辺でそれを探すようになりました。

不思議ですね。言葉を知ると、感じ方が変わるものだと思います。

立秋を過ぎれば、暑さは「残暑」と呼ばれるようになります。同じ暑さでも、言葉が変わる。暦というのは、そういう季節への心の構えを作るものなんでしょうか。

稽古の道具も、そろそろ変わる頃

お稽古のことを考えると、この時期は葉蓋や洗い茶巾を使う季節がそろそろ終わりに近づいています。

葉蓋は、水指の蓋のかわりに蓮の葉などを使うお点前です。夏ならではの涼やかな趣があって、私はこの道具立てが好きです。洗い茶巾もそう。平茶碗に水をはって茶巾を浸しておく、あの涼しげな様子が。

義母(師匠)はよく「夏はいかにも涼しきように」と口にしていました。利休七則のひとつです。道具ひとつで季節を感じさせる、そういう心遣いをとても大切にされていました。

立秋が過ぎると、その夏の道具も名残を惜しむような時期になってきます。茶道の世界では、季節の移り変わりを道具と一緒に感じるんですね。そういう繊細さが、長く続けてきた理由のひとつかもしれません。

「残暑」という言葉の重さ

今年の夏は、いろいろとあった夏でした。

春先に膝を痛めて、6月に手術を受けました。退院してから少しずつ動けるようにはなってきましたが、まだゆっくりしか歩けません。暑い中を出かけることも難しくて、稽古も思うようにできない日が続きました。

それでもお茶を点てることはできます。台所で一服、窓の外を眺めながら。それだけでずいぶん気持ちが落ち着くものです。

立秋を過ぎれば「残暑」。暑さは残るけれど、暦は確かに前へ進んでいます。

朝の空気の中に、ほんの少しでも「涼風至」を感じられる日が来るといいなと思います。

秋のお稽古が楽しみです。

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