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初めて茶会に参加する方へ、席の選び方と初秋のお茶の楽しみ

茶会に参加する、と聞くと、自分も人前でお茶を点てるのでしょうか。白露の頃なら秋のお点前を知らないと困るのかしら。初めての方には、そこからわかりにくいかもしれませんね。普通は客として席に入り、用意されたお菓子とお茶をいただきます。自分で点てる体験があるかどうかは、その会の内容によります。

茶道を習っていなくても、初心者を受け入れている茶会には参加できます。「一般参加可」「初心者歓迎」とある案内を選び、予約や持ち物を確かめればよいのです。九月はまだ風炉のお茶。作法への心配が少し落ち着いたら、この季節のお点前も眺めていただきたいと思います。

目次

茶会に参加したい時は、どんな席を選ぶのでしょう

茶会は、お茶を通して客をもてなす集まりです。ただ、同じ茶会という名前でも、気軽に一服いただく席から、招かれた方が集まる改まった席まであります。催しの名前だけで、誰でも入れるとは決められません。

初めてなら、客の作法を案内してくださる薄茶の席が入りやすいと思います。薄茶は、抹茶に湯を加えて茶筅で点てるお茶です。たとえば東京大茶会は、初心者も参加でき、道具を用意していなくても参加できると案内しています。こういう説明があると、申し込む前の不安が少し減りますね。東京大茶会「参加するにあたって」

「茶事(ちゃじ)」と書かれていたら、内容をもう少しよく見てください。一般に、懐石の食事や濃茶、薄茶などを通して客を迎えるもので、一服のお茶をいただく席より時間も長くなります。初めてだから無理とは言いませんが、経験がないことを伝え、参加してよいか相談したいところです。

地域の文化施設や庭園、美術館などの催し案内を探す時も、開催日だけでなく、対象者の欄を見ます。一人で申し込める会なら、お連れの方がいなくても参加できます。心細ければ、受付で初めてだと伝えておくとよいですね。

私は、お茶を飲んでみたいという気持ちのある方に、入口で引き返してほしくないと思います。そのためにも、自分に合う席を選ぶことが大切なのでしょう。

申し込みの前に、茶券の中身も確かめます

茶券は「ちゃけん」と読みます。茶会に入るための券ですが、一枚で何席いただけるのかは会によって違います。薄茶一席なのか、いくつかの席を巡るのか。食事を含むのか。料金の数字だけではわからないところです。

案内では、このくらいを見ておくと当日の見通しがつきます。

  • 予約が必要か。当日券があるか。
  • 茶券に含まれる席数と、お茶や食事の内容。
  • 指定された席入りの時刻、受付の時刻、最終受付。
  • 持ち物と服装。椅子で参加できるかどうか。

開催時間が長く書いてあっても、その間ずっと席に座るとは限りません。客を入れ替える会もありますし、時間を決めて申し込む会もあります。終了間際に着いて、もう受付が終わっていたら残念ですから、受付の時刻まで見たいですね。

茶券代のほかに施設の入園料などが必要か、支払い方法は何かも確かめます。欠席する場合の連絡先を控えておけば、急に都合が悪くなった時にも慌てずに済みます。

わからないことを問い合わせる時は、茶道の言葉を使おうとしなくてよいと思います。初めて参加したいこと、知りたいことを短く伝える。それで十分です。

支度は、その茶会の案内に合わせて

気軽な茶会なら洋服で参加できる場合があります。畳の席では、座って膝が出すぎず、袖が茶碗や菓子に触れにくい服がよいですね。石川県の茶会案内でも、洋服での参加や白い靴下、道具を傷つけないために腕時計やアクセサリーを外すことが紹介されています。石川県「茶会に参加するときに、これだけはおさえておきたいポイント!」

持ち物は、茶券や予約の控えに加え、履き替え用の白い靴下。懐紙、菓子切り、茶道用の扇子などは、主催者の指定に合わせて用意します。懐紙は菓子を取ってのせる紙ですから、お菓子をいただく場面で必要になるのですね。道具を貸してくださる会なら、その範囲も聞いておきます。

香水などの強い香りは控えたいものです。お茶や菓子の香りを、一緒に座る方も楽しみにしておられるでしょうから。

正座が難しい方は、申し込みの時に椅子を使えるか尋ねてください。私も今は右ひざのことがありますので、席の形は気になります。裏千家淡交会広島支部では、腰掛を用意する茶会や、椅子に掛ける立礼の席を案内しています。立礼は「りゅうれい」と読みます。どの茶会でも対応が同じとは限りませんので、行く先に確かめたいですね。裏千家淡交会広島支部「お茶会のご案内」

席に入ったら、わからないまま急がなくてよいのです

一般向けの薄茶席なら、受付を済ませ、案内された場所で待ち、順番が来たら席に入ります。荷物の置き場や靴下を履き替える場所も、その場の案内に従います。

座る場所は、空いているところならどこでも同じ、というわけではありません。客を代表して亭主とやり取りする正客(しょうきゃく)や、終わりの客である末客(まっきゃく)には役目があります。初めてなら、席を案内していただくのが安心です。

お菓子は勧められてからいただき、お茶が出たら挨拶をして受けます。薄茶では茶碗の正面を避けて飲み、飲み終えたら飲み口を清めて戻す扱いがあります。回す向きなどの細かな作法は流儀で違いますので、その席の説明に合わせてください。東京大茶会「お茶のいただき方」

周りを見てもわからない時は、小声で尋ねてよいと思います。知らない扱いを急いでまねるより、茶碗を落ち着いて持つほうが大切です。私も表千家のお茶を続けていますが、ほかの流儀の扱いまで同じつもりでは見られません。

道具を見せていただく時も、勝手に手を伸ばさず案内を待ちます。写真を撮りたい時は、撮影してよいか確かめてから。説明の途中で携帯電話を探していると、自分も聞きたい話を聞き逃してしまいますね。

帰る時には、お茶をいただいたお礼を伝えます。難しい言葉が出てこなくても、おいしくいただいた気持ちが伝わればうれしいと思います。

白露の茶会では、風炉のお点前にも目を向けて

白露という秋の言葉から、茶室もすっかり秋の姿になっていると思うかもしれません。けれど、九月はまだ風炉の季節です。風炉は、畳の上に据え、釜を掛けて湯を沸かすためのもの。一般に五月から十月まで用います。淡交社 TANKO+「炉と風炉の違い」

暑い時季には、客から火を遠ざけ、水の涼しさを感じられるようにします。白露の頃は、その夏から続く風炉のお点前の中へ、少しずつ秋の趣が入ってくる頃なのですね。

たとえば、湯を汲む柄杓の動きを見たあと、床の間の花へ目を向ける。萩が入っていれば、火のある席にも初秋の野を感じられそうです。菓子に月を思わせる名前が付いていたら、なぜ今日その菓子なのだろうと考えてみる。お点前の順番が全部わからなくても、季節を受け取る場所はあります。

私は、初めての方に一度で沢山覚えてほしいとは思いません。菓子の名を一つ聞けた。釜から柄杓で湯を汲むところがよく見えた。そのくらいでも、家で飲む一服とは違う楽しみが残るのではないでしょうか。

白露に参加する茶会なら、風炉のお茶にどのような秋が添えられているか、楽しみにしてみてください。私も次に席を拝見する時は、その日の一服に添えられた初秋を、ゆっくり受け取りたいと思います。

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