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茶道の正座でしびれない方法は?座り方と無理をしない工夫

正座にも、長くお茶を続けた人だけが知っている、しびれないこつがあればよいのですが。四十五年以上続けている私も、これなら誰でも大丈夫、とは言えません。お点前を覚えるだけでも中々大変ですのに、足の心配まであると、初めての方は落ち着きませんね。

茶道で正座のしびれを避けたい時は、座り方だけで何とかしようとせず、同じ姿勢を長く続けない支度が大切です。足を楽にする時間を相談する、正座椅子を使う、椅子の席を選ぶ。身体に合う方法を考えてよいのです。どの座り方にも「必ずしびれない」という保証はありません。

目次

正座とは、どのような座り方でしょう

正座は「せいざ」と読みます。両ひざを曲げて床につき、足の甲を寝かせ、その上にお尻を下ろす座り方です。畳の茶室では、お辞儀をしたり、お茶をいただいたり、お点前をしたりする時の基本になる姿勢です。

背筋を自然に伸ばし、肩の力を抜いて座ります。胸を強く張って固まる必要はありません。ひざの開き方や手を置く位置など、茶席での細かな形は、習っている先生に見ていただくとわかりやすいと思います。

「背筋を伸ばす」と言葉にすると簡単ですね。けれど、きちんと見せたいと思うほど、肩まで上がりそうになります。姿勢を整えることと、身体に力を入れること。その加減は、説明する私も難しいと感じます。

正座の「正」という字を見ると、ほかの座り方では間違いのように思えるかもしれません。けれども、茶道には椅子を使う形もあります。正座が難しいからと、お茶そのものを諦めなくてよいのです。

茶道の正座で、しびれないようにするには

正座で足がしびれるのは、脚にかかる圧迫によって、神経や血流に影響が出るためです。鳥取県医師会も、正座によるしびれには神経の圧迫が関わると説明しています。気合いや作法の覚え方の問題ではないんですね。鳥取県医師会「足のしびれ」

足の指を重ね直す、重心を少し変える、といったこつを耳にすることもあるでしょう。ただ、それで長時間座っても大丈夫とは言えません。しびれ方には個人差がありますし、ひざや足首の状態も同じではありませんから。

お稽古の前には、次のようなことを確かめておくとよいと思います。

  • どのくらい続けて座るのか。途中で姿勢を変えられるか。
  • 正座がつらくなった時、どなたに声を掛ければよいか。
  • 正座椅子の使用や、普通の椅子への変更が可能か。

何分ならしびれない、という共通の時間は決められません。隣の方が平気そうでも、自分まで同じように座り続けなくてよいですね。

家で慣れておこうと、しびれるまで正座を続けるのも勧められません。練習するなら、つらくなる前に姿勢を変えられる範囲で。ひざに痛みがある方や治療中の方は、正座をしてよいかを医師に確かめてください。

私も右ひざの手術を受け、まだ違和感が残っています。長くお茶をしてきたからといって、今の足の具合を飛び越すわけにはいきません。年数を数えれば立派なのですが、身体は年数だけでは言うことを聞いてくれませんね。

足を崩すのは、いつ言えばよいのでしょう

初めてのお席では、足よりも、声を掛ける時機に困るかもしれません。お点前の途中で話してよいのか。皆さんが静かなので、もう少し待ったほうがよいのか。

私は、この遠慮が難しいところだと思います。

心配があれば、席に入る前に「正座を長く続けるのが難しいので、途中で足を楽にしてもよいでしょうか」と伝えておきます。これは言い方の一例です。上手な言葉を探すより、どんなことで困るのかが伝われば十分でしょう。

有斐斎弘道館では、茶会は正座を基本としながらも、席によってほかの座り方が可能な場合があり、亭主へ尋ねるよう案内しています。長時間の講座では、正座を崩す「安座」も取り入れています。有斐斎弘道館「よくある質問」

ですから、どこの茶席でも同じ時に同じように崩す、と覚えるものではないのですね。お稽古なら先生へ、茶会なら受付や席の方へ相談しておくと安心です。

途中でつらくなったら、前もって話していなくても、小声で伝えて構いません。痛みがあるのに、お点前が終わるまで待とうとしないでください。姿勢を変える時は、そばの方や道具に足が当たらないよう気をつけます。

挨拶の時だけでも正座に戻らなければ、と考える方もいるでしょう。ひざを曲げること自体が難しければ、そのことも初めに伝えておきたいですね。椅子に掛けたまま、どのように挨拶をすればよいかを教えていただけます。

正座椅子と、椅子でいただくお茶

正座椅子は、お尻を支える小さな補助椅子です。脚に体重が直接かかるのを減らすために使います。畳の上で使う低いものですが、普通の椅子のように、ひざを大きく開いた角度で座れるとは限りません。

ここは、選ぶ時に気をつけたいところです。

しびれが心配なのか、ひざを深く曲げられないのかで、必要な助けが違います。正座椅子があっても、ひざを曲げる痛みまで解決するとは限りません。小さく持ち運べるというだけで決めず、身体に合うかを見たいですね。

裏千家の英語茶道教室には、畳の茶室で正座椅子を使えるコースが案内されています。使用できる場はありますが、すべての教室や茶会で同じとは限りません。持参する前に確かめてください。裏千家「英語茶道教室 Q&A」

会場へ相談する時は、椅子の高さや大きさ、畳を傷つけない脚の形かも伝えます。貸していただけるなら、買う前に使い心地を確かめられるか尋ねてもよいでしょう。

ひざを曲げにくい方には、テーブルと椅子を使う「立礼(りゅうれい)」の席もあります。遠州流でも、正座が苦手な方や初心者が親しめる形として紹介されています。遠州流茶道連盟「初心者のための茶道教室の選び方」

立礼という字は、立ったままお茶を飲むようにも見えますね。名前だけでは中々わかりません。申し込む時には、実際にどんな椅子に座るのかまで聞くと、思い違いが少なくなります。

しびれてしまったら、立つのを急がずに

足の感覚が鈍い時に、皆さんに合わせて急に立とうとするのは危ないです。お茶碗を持っているなら安定した場所へ置き、周りに伝えて姿勢を変え、足の感覚が戻るのを待ちます。道具や隣の方につかまって、無理に立ち上がらないようにしたいですね。

しびれた足を強く叩いたり、無理に歩いて直そうとしたりする必要はありません。立つ前には、足を自分の意思で動かせるか、体重をかけてもふらつかないかを確かめます。心もとなければ、手を貸していただきましょう。

正座をやめても症状が治まらない、繰り返す、正座をしていない時にもしびれる。そういう時は、正座のせいと決めずに医療機関へ相談してください。足に力が入らない場合も、早めの受診が必要です。

お茶の席では、周りに合わせようという気持ちが働きます。私にも、その気持ちはわかります。けれども、自分の足の具合は、黙っていると相手にはわかりませんね。ひと言伝えるところから、落ち着いて座れる支度が始まるのだと思います。

白露の頃も、風炉のお茶は続きます。私は今の身体に合う座り方で、一服をゆっくり味わいたいです。初秋の菓子の姿にも、目を向ける余裕を残しておきましょう。

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