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茶道の初心者セットとは?中身と、自分に合う道具の選び方

「初心者セット」という名前は、何だか安心しますね。これを一つ用意すれば始められそうです。ところが、茶碗の入ったものもあれば、布の袋に小さな道具が収まったものもあります。同じ名前なのに、中身がずいぶん違います。

茶道の初心者セットは、入門に必要な道具を組み合わせて売られているものです。お稽古へ持参する帛紗や懐紙などの組と、家で抹茶を点てるための茶碗や茶筅などの組があります。教室で習いたいのか、家のおやつに一服添えたいのか。そこが決まると、選ぶものも見えてきます。

目次

茶道の初心者セットとは、どんな道具の組でしょう

初心者セットは、茶道で昔から決まっている道具一式の名称ではありません。お店が初めての方向けに組んだ商品の呼び名です。「入門セット」「お稽古セット」「初歩セット」などとも書かれています。

お稽古用では、帛紗、扇子、懐紙、菓子切り、それらを収める帛紗ばさみなどが組み合わされています。流儀や商品によって、古帛紗が入るものもあります。たとえば芳香園の裏千家初歩セットは、こうした六つの品を合わせたものです。芳香園「裏千家初歩セット」

家で抹茶を楽しむ組は、中身が変わります。茶碗と茶筅を中心に、茶杓や抹茶などを添えたものです。宇治田原製茶場の「お抹茶入門セット」には、抹茶碗、抹茶、茶筅、茶杓が入っています。宇治田原製茶場「お抹茶入門セット」

ですから、お稽古用の初心者セットを買っても、それだけで家で抹茶を点てられるとは限りません。反対に、茶碗の入ったセットだけでは、教室へ持参する小物が足りない場合があります。

商品名より、中身を見たいですね。

お稽古用の初心者セットに入っているもの

小さな袋の中に入るものですから、似たような小物に見えるかもしれません。でも、使う場面はそれぞれ違います。

  • 帛紗(ふくさ)

お点前で茶器や茶杓を清めるための布です。お祝いの金封を包む袱紗とは用途が違いますので、「茶道用」かを確かめます。

  • 扇子(せんす)

挨拶などに用いる茶道用の扇子です。流儀などに応じた寸法を選びます。

  • 懐紙(かいし)

菓子を取ってのせたり、必要な時に指先などをぬぐったりする紙です。使えば減るので、あとから補充します。

  • 菓子切り・菓子楊枝(かしようじ)

やわらかい菓子を切っていただくための道具です。金属製などがあり、鞘や小さな袋が付くものもあります。

  • 帛紗ばさみ・懐紙入れ

帛紗や懐紙などを持ち運ぶ入れ物です。呼び名や形は商品によって違います。

裏千家用の組などに見られる古帛紗(こぶくさ)は、道具を拝見する時などに用いる小さな裂です。「古」とありますが、使い古した帛紗ではありません。道具を清める帛紗とは、別のものです。

ここは名前だけではわかりにくいですね。私も、人に説明するなら実物を並べたくなります。

また、「六点」「七点」という数だけで比べると迷います。菓子楊枝とその鞘を別々に数えているか、入れ物やケースを含むかで、点数の受け取り方も変わります。多いほうがお得と思う前に、何が一つずつ入っているのかを確かめるとよいと思います。

表千家用、裏千家用は、どこを見て選ぶのでしょう

私は表千家のお茶を続けています。初心者セットを選ぶ時も、習う流儀に合うものかは外せません。

帛紗の色、扇子の寸法、古帛紗の有無などに違いがあります。実際に今屋静香園の表千家用セットでは六寸五分の扇子、裏千家用の一例では五寸の扇子が組まれています。同じ茶道用の扇子でも、長さが違うのですね。今屋静香園「表千家入門者セット」「裏千家入門者セット」

ただ、流儀の名前が合えば、それで全部決まりともいえません。男性用、女性用という区分のある商品もありますし、先生から帛紗の素材や色を指定される場合もあります。

選ぶ時は、商品の写真と内容一覧を先生に見ていただくのが伝わりやすいと思います。「この組でお稽古に使えますか」と聞けば、自分では気づかなかった違いも確かめられます。

帛紗の素材には、正絹のほか、交織などがあります。正絹は絹のものです。芳香園でも、正絹と交織の初歩セットを別々に案内しています。値段を比べる時は、入れ物の柄だけでなく、この表示も見ておきたいですね。芳香園「帛紗交織の初歩セット」

安いものではいけないのか、高いものなら扱いやすいのか。そのように一度に決めようとすると難しいです。帛紗は実際に折り、さばいて使いますから、厚みや手になじむ感じも関わります。予算を伝えたうえで、初めに使うものを相談してよいと思います。

必要な道具が決まったら、帛紗ばさみの色や柄を選ぶ楽しみもあります。毎回持つものですから、開くのがうれしくなるようなものはよいですね。

家で抹茶を点てたい時の初心者セット

白露の頃も、まだ風炉の季節です。けれど、家のおやつに抹茶を添えてみたい時に、風炉や釜までそろえる必要はありません。台所で用意した湯を使い、食卓で一服楽しむところから始められます。

家用のセットでは、茶碗、茶筅、茶杓、抹茶が入っているかを見ます。茶筅は、細く割った竹の穂で抹茶を点てる道具。茶杓は抹茶をすくう匙です。手軽に楽しむ段階なら、茶杓の代わりに計量用のスプーンを使う方法もあります。京都府「宇治茶の淹れ方」

写真に抹茶が写っていても、別売りのことがあります。茶筅立てや茶こしが付く組もありますので、家にあるものと見比べて選びます。贈り物なら、受け取った方が抹茶を別に買う必要があるかも、見ておくと親切でしょう。

茶碗は、手に持つ姿も思い浮かべたいです。色が好きでも、大きくて重そうなら少し迷います。通信販売では、口径、高さ、重さの記載を確かめると、写真だけより見当がつきます。

初秋には、栗や芋のお菓子に抹茶を添えるのもよいですね。家族でおやつを囲むなら、私は菓子を小皿にのせるくらいの支度で楽しみたいです。お稽古の道具を全部食卓に並べなくても、おいしい一服はいただけます。

家で飲む楽しみから始めて、もっと習いたくなったら、お稽古用の小物を選ぶ。その順でもよいと思います。

初心者セットは、買ったあとも一式のままでしょうか

「初心者用」と書かれていても、上達したら全部買い替える、というものではありません。使える道具はそのまま使い、懐紙が減れば足す。必要な道具が増えたら、その時に選びます。

すでに懐紙入れや菓子切りを持っている方なら、足りないものを単品でそろえる方法もあります。セットの値段に、別に買い足す品の代金まで含めて比べると、無駄が少なくなりそうです。

使ったあとの始末も、一袋に戻して終わりにはしたくありません。菓子切りは材質に合う方法できれいにし、水気を残さず収めます。使った懐紙は、未使用の懐紙と分けます。家用の茶碗や茶筅も、洗ったあと十分に乾かしてからしまいます。

布ものは洗濯表示や販売元の扱い方を確かめてください。特に正絹の帛紗は、ハンカチと同じつもりで洗わず、汚れた時の手入れを先生やお店に聞いておきたいです。

初めは、包みを開けても名前のわからないものがあるでしょう。使う場面が一つわかると、その道具が少し身近になります。袋に収まる小さな品にも、それぞれ出番があるのですね。

気に入った道具を少しずつ自分のものにしながら、秋の一服を楽しんでいただけたらうれしいです。

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