お稽古の場で、初めて茶道を始めた方から「あの器はなんですか?」と聞かれることがあります。
柄杓で釜からお湯を汲んで、茶碗に少し入れてあたためる。そのあと、余ったお湯をどこかへ捨てなければなりません。
あの器が「建水(けんすい)」です。
「水こぼし」「こぼし」とも呼ばれます。読んで字のごとく、お湯や水をこぼす器ですね。
今日は建水のことを、少し書いてみようと思います。
建水って、何のための器ですか?
お点前のなかで、茶碗をあたためる場面があります。釜から柄杓でお湯を汲み、茶碗に入れて茶筅通しをする。そのあと、茶碗のお湯を捨てるために使うのが建水です。
私が初めてお稽古に上がったころ、どこにお湯を捨てるのだろうとずっと思っていました。
師匠から「そちらへ」と言われて、やっと気づいた記憶があります。
何度も稽古を重ねるうちに、自然と手が動くようになりますが、最初はわからないですよね。
お点前の流れについてはこちらの記事も書いていますので、よかったら読んでみてください。
→ お点前とは?初心者向けに流れをやさしく解説
素材も形もいろいろあります
建水には、いくつかの種類があります。
材質で言うと、銅や真鍮のもの、陶器のもの、竹でできたものなどがあります。形は「桶形(おけがた)」が一番よく目にするでしょうか。小さなバケツのような形です。
ほかに「エフゴ形」「馬盥(まだらい)」といった形もあって、茶会の趣旨や季節によって使い分けることもあります。
夏らしい竹の建水を使ったお席は、見た目だけで涼しげで好きです。季節を感じさせる道具というのは、やはりいいものだなと思います。
置く場所は亭主の左側です
お点前では、建水は亭主の左側に置きます。柄杓を置くときも、建水の上に伏せて置くことが多いですね。
慣れてくると自然にわかってきますが、最初は右か左かで迷うものです。私もずいぶん長い間、位置を間違えていました。
師匠が「左ですよ」と何度もおっしゃってくださっていたのに、なかなか体が覚えてくれませんでした。中々覚えません、本当に。
茶道の道具には、それぞれ決まった場所があります。建水も同じです。慌てずに、ゆっくり確認しながら覚えていくのがいいと思います。
呼び方は先生によって違うことも
「けんすい」「こぼし」「水こぼし」と、呼び方がいくつかあります。先生や流派によって呼び慣れている言葉が違うこともあるかもしれません。
どの呼び方でも、指している器は同じです。
お点前の道具は一つひとつに役割があって、それを知っていくのが茶道の楽しさでもあるなと、最近思うようになりました。45年続けていても、まだまだ気になることが出てきます。
お点前のお湯の始末を担う建水。小さな器ですが、なくてはならないものですね。
次のお稽古でも、建水の置き場所をじっくり確かめてみようと思います。
お点前で使う白い布「茶巾」についても以前書きましたので、よかったら合わせてどうぞ。
→ 茶巾(ちゃきん)とは?茶道で使うあの白い布のこと

コメント