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お茶会の手土産、値段はいくらが正解?招かれた時に迷うこと

秋に入ると、お茶会の案内が届くことがあります。招かれるうれしさの後に、すぐ気になるのが手土産のことです。何か持っていくものでしょうか。いくらくらいが失礼にならないでしょうか。

四十五年以上お茶を続けている私でも、お茶会の手土産については今も正解がわからないと感じることがあります。流儀や先生、その会の格によって変わる。長くやっているから詳しいはずと思われると、少し困ってしまいます。中々覚えない、とは私自身のことでもあるのです。

目次

お茶会の手土産、値段はいくらが正解でしょう

はっきり申し上げると、お茶会の手土産には決まった金額がありません。そもそも持参するかどうか自体、その会によって違います。

大きな茶会に客として参加する場合は、手土産を持っていかないことが多いです。会場でお菓子とお茶を用意していただく形ですから、そこへさらに手土産を持ち込むと、先方が困ることもあります。受け取った品をどこに置けばよいか、後で皆に分けるべきかと、逆にご負担をかけてしまいかねません。

一方、先生のお宅やこじんまりした席へ個人的に招かれる時には、何か一つ持参することが自然な場合もあります。季節の和菓子や日持ちのするお菓子など、重たくない品が選ばれることが多いです。値段の目安を一つ上げるとすれば、千円から三千円くらいの間が多く見られます。ただし、これもその会の格や関係によりますし、これより高いものを持参しなければ失礼とも言えません。

迷った時の一番確かな方法は、招いてくださった方へ事前に「何か持参するものはありますか」と尋ねることです。それを聞くのは失礼でしょうか、と思われるかもしれません。けれど、勝手に判断して場に合わないものを持っていくより、確かめておく方がよいと思います。私もそうしてきましたし、今もそうしています。

そもそも「お茶会」とはどんな会でしょう

お茶会という言葉は、広い使われ方をします。大勢の客を迎える大寄せの茶会から、少人数で静かにお茶をいただく小さな席まで含みます。

よく見られる形は、薄茶(うすちゃ)の席です。抹茶に湯を加えて茶筅で点てるお茶で、お菓子をいただいてから一碗受ける流れが基本になります。初めての方も入りやすいと思います。

これに対して茶事(ちゃじ)は、懐石の食事から始まり、濃茶、薄茶へと続く正式な形です。時間も長く、作法も多く関わりますので、初めは薄茶の席から経験を積まれるのがよいでしょう。

お茶会には亭主(ていしゅ)と客があります。亭主はその席でお茶を用意し、客をもてなす人。客はその心遣いを受け取ります。席には正客(しょうきゃく)という、一番前に座って亭主と言葉を交わす役目の方がいます。初めてなら、無理に正客の席へ座らず、案内に従うとよいですね。

大寄せの茶会では、茶券を購入して入場し、用意された席に順番に入ります。一席の時間は短く、次の客と入れ替わる形が多いです。「お茶会の雰囲気を知りたい」という方には、まず大寄せの茶会が入りやすいかもしれません。

手土産に選ぶものと、渡し方

何か持参するとなったら、和菓子が選ばれることが多いです。お茶の席には季節感が大切にされますので、その時季の名前がついた菓子は自然に喜ばれます。秋分の頃なら、萩や月の名前の入ったお菓子、栗を使ったものも似合います。

ただ、生菓子のような水分の多いものは傷みやすく、持ち運ぶうちに形が崩れることもあります。移動のあるお茶会には、日持ちのする焼き菓子や干菓子の方が安心です。個別に包まれたものは、後で分けやすくて重宝します。

大切なのは、価格より気持ちの見えるものを選ぶことだと思います。値段が高ければよいというものでもなく、老舗でなければならないこともないでしょう。あまり大げさなものより、受け取った側が「どうしようか」と考えなくて済む品がよいのではないでしょうか。

渡す時は、紙袋ごと差し出すのではなく、袋から品を取り出して手渡しする方が丁寧です。「お口に合いますかどうかわかりませんが」と一言添えるのがよく聞かれます。こういう言葉がとっさに出てくる方を見るたびに、私はうらやましいと思います。四十五年以上お茶を続けながら、そういう場面での言葉は今も迷うのです。

持参の品がある時は、袋のまま座布団の上に置かず、畳の上へ控えめに置いておく。受付で渡せる場合は受付で済ませる。このあたりも、会の形によって変わりますので、迷ったらその場で確かめていただく方がよいと思います。私も、新しい席へ伺う前はやはり一度確かめます。

案内を読む時に見ておくこと

手土産の前に、招待状や案内をよく読むことが大切です。

開始時刻、受付の時刻は別に書かれていることがあります。終了間際に着いて受付が締まっていたとなると残念ですから、受付の時刻まで見ておきたいですね。持ち物や服装、茶券の内容もここに書かれていることが多いです。

服装は、着物でなくても参加できる会が増えています。洋服で参加するなら、膝が出にくい服と白い靴下を用意しておくと安心です。畳に上がる席では、きれいな白い靴下を小さな袋に入れて持ち歩くとよいですね。腕時計や指輪など道具を傷つけるものは、席に入る前に外します。

正座が長く続かない方は、椅子を用意していただけるかを事前に確かめてください。私も今、右ひざにまだ違和感が残っており、長時間の正座は無理をしないようにしています。「正座が長く続けるのが難しいのですが」と事前に伝えておけば、大抵は対応を教えていただけます。わからないことを問い合わせる時は、難しい言葉を使おうとしなくてよいと思います。初めて参加したいこと、知りたいことを短く伝える。それで十分です。

秋のお茶会、気持ちを楽にして

お茶会に招かれると、手土産の値段から始まって、服装、作法、正座と、気になることが重なります。全部わかってから行こうとすると、なかなか踏み出せません。

わからないことは、その場で覚えればよいのです。

手土産については、招いてくださった方に事前に確かめる。それが一番確かな方法です。長くお茶を続けても迷うことはあります。初めての方が迷うのは、当然のことです。

秋分の頃にいただく一服には、虫の音と萩の揺れが一緒に聞こえるような気がします。少し気持ちを楽にして、その席へ入ってみてください。

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