初心者の方から「おうすって何ですか?」と聞かれることがあります。
そういえば私も、お稽古を始めたばかりの頃、先生から「今日はお薄を点てましょう」と言われて、はじめはよくわからなかった気がします。「おうす」という言葉は、長くお茶を続けていると当たり前のように使いますが、最初は聞き慣れない言葉ですよね。
「お薄」は薄茶のこと
「おうす」は「お薄(うす)」と書き、「薄茶(うすちゃ)」のことです。
茶道には「薄茶」と「濃茶(こいちゃ)」の二種類があります。どちらも抹茶を使いますが、使う量と点て方がまったく違います。
お薄は、茶碗に抹茶を少量(茶杓で2〜3杯ほど)入れ、熱めのお湯を80mlほど注いで、茶筅でシャカシャカと泡立てながら点てます。表面に細かい泡が立つのがよい状態です。
お濃茶はその倍近くの抹茶を使い、お湯は少なめ。茶筅でシャカシャカするのではなく、じっくりと練るように仕上げます。泡は立てません。とろりとした濃さが特徴で、口に含むとずっしりとした味がします。
お茶会ではお濃茶のあとにお薄が出ます
茶事(ちゃじ)やお茶会では、まずお濃茶をいただき、そのあとにお薄が出てきます。濃いものから薄いものへ、という流れです。
お濃茶は格式が高く、飲み方にも作法があります。茶碗を三人くらいで回し飲みすることもあります。
一方、お薄は一人ひとりに点てる「各服点て(かくふくだて)」が基本です。気持ちが少し楽になりますね。
お稽古では最初にお薄から習うことが多いです。私もそうでした。
お薄の点て方、基本の流れ
手順は先生や流派によって細かく違いますので、あくまで参考程度に読んでください。先生の教えが一番です。
まず茶碗にお湯を入れて温め、茶筅を少しお湯に濡らします。ふきんで茶碗を拭いてから、茶杓で抹茶をすくって入れます。
次にお湯を注ぎ、茶筅で点てます。このシャカシャカが難しくて、最初のうちは力が入りすぎてしまいました。茶碗の中でお茶が飛び跳ねそうになったこともあります。
うまく点てられると、表面にきれいな泡が立ちます。緑の泡がふわっと広がったとき、なんとなく嬉しい気持ちになります。
45年続けていても、毎回「これでいいかな」と思いながら点てています。完璧にできる、とはなかなか言えないものですね。
お薄の前にはお菓子をいただきます
お薄をいただくときは、先にお菓子を食べてからお茶をいただきます。甘いお菓子の後に苦みのあるお茶が来る、という組み合わせです。よく考えられていますよね。
季節によってお菓子が変わるのも、お茶の楽しみのひとつです。今の時期(夏)なら錦玉(きんぎょく)や水羊羹など、見た目に涼しいものが出ることが多いです。
季節のお菓子については、こちらにも書きましたのでよかったらご覧ください。
→ 茶道のお菓子の選び方と季節感
抹茶の選び方
お薄に使う抹茶は、薄茶用のものを使います。抹茶にも等級があって、濃茶用・薄茶用・料理用など、それぞれ用途が違います。お点前では、できれば点前用として売られているものを使うほうがよいと思います。
最近は抹茶が世界中でブームになっていて、スーパーでも種類が増えてきましたね。お薄を始めてみようという方は、まずは「薄茶用」と書かれたものを探してみてはいかがでしょうか。
抹茶ブームのことはこちらにも書いています。
→ 世界で抹茶がブームだそうです
まずはお薄から
茶道を始めると、最初に習うのがお薄です。「お濃茶より簡単」と言われますが、それでも最初は戸惑うことがあります。茶筅の動かし方、お湯の量、抹茶の入れすぎ……いろいろと気になることが出てきます。
でも、毎回点てるたびに少しずつ感覚がわかってくるのも確かです。「今日は泡がきれいに立った」という小さな喜びが、お稽古を続ける力になっているかもしれません。
次のお稽古でまた確かめてみようと思っています。

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