お稽古を始めたばかりの方から「帛紗って何ですか?」とよく聞かれます。
私も茶道を始めた頃は、その小さな布がなぜ必要なのか、あまりよくわかっていませんでした。先生に手渡されて、見よう見まねで使い始めたような気がします。
帛紗(ふくさ)とは
帛紗は、茶道で使う絹製の小さな布のことです。だいたい28センチ四方くらいの大きさで、羽二重という薄くてなめらかな絹でできています。
お点前の中で、茶入や棗(なつめ)などの道具を清めるときに使います。「清める」といっても、本当に汚れを落とすというよりは、道具を丁寧に扱い、大切にする所作を見せるための意味合いが強いと思います。
なぜ絹なのだろう、と気になって調べてみたことがあります。絹は道具を傷めにくく、優しく拭えるからだそうです。大切な道具を守る、という心遣いが形になったものかもしれませんね。
色は男女で違います
帛紗の色は、男女で異なります。
表千家では、女性は朱色(橙がかった赤)、男性は紫色を使います。私はずっと朱色のものを使ってきたので、男性のお稽古場で紫の帛紗を見たとき、「なんだかかっこいいな」と思ったことがあります。
流派によっても違いがあるので、始めるときに先生に確認されるとよいでしょう。
また、資格を取った先生クラスになると、女性でも紫の帛紗を使える場合があります。紫の帛紗を持った女性の先生を見ると、なんとなく凛とした雰囲気がありますね。
帛紗さばきが難しかった
帛紗は、使う前に「帛紗さばき」という折り方をします。
これが最初は難しくて。先生の手元を見ていると、するすると自然に折れていくのですが、自分でやるとなかなかうまくできなかった記憶があります。
帛紗さばきとは、帛紗を一定の手順で折って、道具を拭ける状態にすることです。正しく折ることで帛紗が広がらず、道具をきれいに清めることができます。折り方は流派によって異なりますが、お稽古の中でまず最初に教わるものの一つだと思います。
帛紗の畳み方については、以前少し詳しく書いたことがあります。よかったらあわせてどうぞ。
→ 帛紗の畳み方、45年経ってもまだ気になります
腰につけて持ち歩きます
お稽古のとき、帛紗は帯や袴の腰の部分に挟んで持ち歩きます。スッと取り出してさばく、その所作もお点前の一部です。
私の師匠はよく、「帛紗の出し方一つで、その人のお茶がわかる」とおっしゃっていました。道具を持ち出す前から、もうお点前は始まっているのだな、と今になって思います。
実際のお点前の流れの中で帛紗がどう使われるか、気になる方はこちらも読んでみてください。
→ お点前とは?初心者向けに流れをやさしく解説
小さいけれど大切な道具
帛紗は小さな布ですが、茶道の中では欠かせない道具の一つです。
これだけで一冊の本が書けるくらい、奥が深いものだと最近思うようになりました。45年続けてきて、まだ「ちゃんとできているだろうか」と思うことがあります。
次のお稽古でまた確かめてみようと思います。

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