茶筅は、使い終わったらすぐにぬるま湯で振り洗いし、茶筅立てに挿して日陰で乾かします。十分に乾いてから冷暗所へしまう。この三つを続けることが、細い穂先を長持ちさせる手入れになります。
茶筅は「ちゃせん」と読みます。竹を細く割った穂で、抹茶と湯を混ぜて点てる道具です。霜降を迎える頃も、まだ風炉の季節。茶筅は季節を通して使いますが、風炉から炉へ支度が替わる前に、穂先の様子にも目を向けたいですね。洗ったあとの置き場所まで決めておくと、一服のあとの片付けも迷わず済みそうです。
茶筅のお手入れ、3つのステップ
洗うところまでは思いついても、濡れた茶筅をどう置くかで困ることがありますね。流れを一つの図にしました。

ステップ1 使い終わったらすぐに洗う(ぬるま湯・振り洗い)
茶碗にぬるま湯を入れ、茶筅の穂を浸して、やさしく振り洗いします。穂の間に残った抹茶を落とすつもりで動かしてください。抹茶が乾いてこびりつく前に洗えば、細いところを無理にこすらずに済みます。
洗剤やたわしは使いません。竹の繊維や繊細な穂先を傷めないためです。穂の間が気になっても、たわしでこすったり、指で強くしごいたりせず、ぬるま湯を替えて洗います。洗い方は、山年園の茶筅紹介とグリーンティー東京の洗い方の案内を参考にしています。
きれいにしたいと思うほど、つい手を掛けたくなります。でも、この細い竹には、力を掛けずに済むうちに洗うほうがよいのでしょうね。
ステップ2 茶筅立てに挿して日陰で乾かす
洗った茶筅は、茶筅立てに穂の側をかぶせるように挿し、風通しのよい日陰で乾かします。茶筅立ては「くせ直し」とも呼ばれる道具です。穂の形を支え、広がったまま戻りにくくなるのを防ぐために使います。
早く乾かそうと、日の当たる窓辺へ置きたくなるかもしれません。けれど、直射日光は変色や変形につながるので避けます。茶筅立てを使う乾燥方法はなないろ茶道の手入れ記事で、日光を避ける保管方法はグリーンティー東京でも紹介されています。
茶筅立てがない時の、一時的な置き方
清潔で平らな場所に、持ち手を下、穂先を上にして、倒れないように置きます。穂先を下にして重みを掛けたり、壁に押しつけたりせず、風通しのよい日陰で乾かしてください。これは乾かすための一時的な置き方で、茶筅立てのように穂の形を支える働きはありません。
茶筅立てまで必要なのかしら、と迷う方もあるでしょう。名前だけでは飾り台のようですが、洗ったあとに形を保つ役目があるとわかると、用意する意味も見えてきますね。
ステップ3 乾いたら冷暗所にしまう
十分に乾いたら、直射日光の当たらない冷暗所へしまいます。洗い終わってすぐ元の箱へ戻さず、穂の根元や持ち手にも湿り気が残っていないか確かめます。冷暗所での保管はグリーンティー東京の案内にもあります。
「何時間置けばよい」と決めるより、その日の乾き具合を見たいです。片付けを終えたい気持ちはありますが、乾かすところまでが手入れなのですね。
穂先が傷んできたときのサインと交換の目安
洗う時には、抹茶が落ちたかと一緒に、穂先の姿も見ておきます。気に掛けたいのは、次の三つです。
- [ ] 折れ:穂先が折れたり、欠けたりしていないか。
- [ ] 大きな広がり:形が大きく崩れ、点てにくくなっていないか。
- [ ] 変色:以前と違う色の変化が出ていないか。
折れた穂先や大きな形崩れは、交換を考える目安になります。変色は、それだけで交換と決めず、状態をよく見るきっかけにしてください。気になる変化があれば、使うのをいったん控え、購入先へ相談するとよいと思います。
使った期間だけでは、替え時は中々決めにくいですね。私は、まだ使えるかということと、無理なくお茶を点てられるかということを、一緒に考えたいです。種類や選び方は、茶筅の種類と選び方、長持ちさせるお手入れ方法にも書いています。
次に一服点てたあとは、洗った茶筅をしまう前に、穂先を少し見てみてください。次のお茶も気持ちよく点てられるよう、大切にしていきたいですね。お茶の点て方については、おうす(お薄)とは?薄茶の意味と点て方の基本でもお伝えしています。

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