茶筅(ちゃせん)のことを少し書いてみます。お抹茶を点てるのに欠かせない道具ですが、意外と知られていないことが多いのです。
茶筅は竹からできています
茶筅は一本の竹を細かく割って作られます。あの細かい穂先、機械ではなく職人さんの手仕事です。奈良県の高山という土地が茶筅の里として有名で、五百年の歴史があるそうです。
初めてそれを本で読んだとき、稽古で何気なく使っていた茶筅が急に尊いものに見えました。一本の竹があの形になるまで、いくつもの工程があるのです。
茶筅の種類、何本立てを選べばいい?
茶筅には穂の数によって種類があります。八十本立て、百本立てなどと呼ばれ、数が多いほど穂が細かくなります。
薄茶を点てるなら、八十本立てか百本立てが点てやすいと思います。穂の数が多いほうが、きめ細かい泡が立ちやすいからです。ご家庭で楽しむ方には百本立てをおすすめしています。
濃茶は泡を立てずに練るものなので、穂の少ない茶筅が向くとされています。流派によっても好みが違いますから、習っている方は先生にお尋ねください。
茶筅のお手入れ、私のやり方
使ったあとは、ぬるま湯でやさしく振り洗いします。洗剤は使いません。竹が匂いを吸ってしまうからです。
洗ったら、穂先を上にして風通しのよいところで乾かします。茶筅くせ直しという道具に立てておくと、穂の形が崩れにくくなります。
しまうときは、完全に乾いてから。湿ったまましまうとカビの原因になります。梅雨の時期は特に気をつけています。
茶筅は消耗品です
大切に使っても、茶筅の穂はだんだん折れたり開いたりしてきます。穂が折れて茶碗の中に残るようになったら、替えどきです。
使い終えた茶筅を供養する「茶筅供養」という行事もあります。道具ひとつにも感謝して手放す。お茶らしい考え方だと思います。
新しい茶筅をおろすとき、私はいつも少し嬉しくなります。しなやかな穂で点てるお茶は、泡立ちがまるで違うのです。よい道具は、稽古の励みにもなりますね。

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