「茶道を習いたいのですが、表千家と裏千家、どちらがいいんでしょう?」
初心者の方によく聞かれる質問です。私自身も始めた頃、「三千家って何?」とよくわからなくて困りました。
45年お稽古を続けてきた今でも、「なぜ三つに分かれたのかしら」と改めて気になって、少し調べてみました。せっかくなので、わかったことをここに書いておこうと思います。
三千家は、千利休のひ孫の代に分かれました
表千家、裏千家、武者小路千家。この三つはまとめて「三千家」と呼ばれています。
もともとはひとつです。お茶の世界で有名な千利休(せんのりきゅう)が茶道の礎を作り、その孫にあたる「千宗旦(せんのそうたん)」という方が三つの家に分けたと言われています。
宗旦には息子が三人いました。その三人がそれぞれ家を起こしたのが始まりです。不思議ですね。同じお父さんから学んでいるのに、流派が三つになったというのは、どんな事情があったのでしょう。
長兄の家が「武者小路千家」、次男の家が「表千家」、三男の家が「裏千家」になったと言われています(諸説あります)。
表千家の特徴
私が45年続けているのが、この表千家です。
表千家は「不審菴(ふしんあん)」を拠点とし、京都の今日庵の「表」にあることからこの名がついたそうです。
特徴は、古い形をできるだけ大切に残している、ということでしょうか。お点前の所作も、千利休の時代に近い形を守っています。泡を立てないお抹茶の飲み方など、「飾らない」印象があります。
私の師匠(義母)も、よく「余分なことをしない」と言っていました。派手に見せることより、静かな中に美しさを見つける。そういうお茶が表千家の気風なのかな、と私は思っています。
裏千家の特徴
裏千家は「今日庵(こんにちあん)」を本拠地としており、三千家の中でもっとも門人が多い流派です。日本全国、海外にも広がっているそうです。
表千家と比べると、お抹茶の点て方がやや違います。裏千家では泡をきめ細かく立てるのが特徴で、見た目にも華やかな印象です。
お稽古の場を探すとき、裏千家の先生の方が見つかりやすい地域も多いかもしれません。教室の数が多い分、始めやすいという面があります。
武者小路千家の特徴
武者小路千家は「官休庵(かんきゅうあん)」を拠点とし、三千家の中では一番規模が小さいです。
所作がシンプルで合理的と言われています。無駄な動きを省いた、すっきりした点前が特徴だそうです。私は詳しくないのですが、「合理的でわかりやすい」と言う方もいます。
教室は少ないので、近くに先生がいるかどうかを確認してからになるでしょうか。
どれを選べばいいのでしょう
正直なことを言うと、どの流派でも、茶道の基本は同じです。
お客様をもてなす心、季節を感じる心、静かな時間の中に美しさを見つけること。それはどの流派でも変わりません。
「どれがいいか」というより、「近所でいい先生がいるかどうか」の方がずっと大切だと、私は45年のお稽古を通じて思っています。先生との相性がお稽古の全てに近いほど影響しますから。
体験レッスンがあれば、ひとつ行ってみる。先生のお人柄、教室の雰囲気が合うと感じたら、そこから始めてみるのが一番だと思います。流派のことは、続けながら少しずつわかってきます。
私も最初は「表千家って何ですか?」という状態から始まりました。師匠の教室に縁があって、気づけば45年です。
茶道を始めようと思っている方には、月謝や費用のことも気になるかもしれませんね。以前に書きましたが、茶道の月謝や始めるのにかかる費用のこともよかったら参考にしてみてください。
お稽古でどんなことをするのか、お点前の基本的な流れも書いています。三千家の違いより先に、「お点前って何だろう」と気になった方にも読んでいただけると思います。
流派の違いを細かく調べるのも面白いのですが、まずは一歩、扉を開けてみてください。お茶の世界はきっと、想像より温かいと思いますよ。

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