2月の極寒の時季には、茶室でも炉にたくさん炭をつぎ、釜も大ぶりで口の広い広口釜をかけ、湯気が立っていると、暖かさを感じます。
また、筒茶碗という、深い茶碗で点てると、お茶が冷めにくく、頂く手のひらに温もりを感じさせてくれます。
筒茶碗の点前は、さほど決まりはないようですが、盛夏の時季に、平茶碗に絞り茶巾を仕組んで、お客様の前で茶巾を絞り直し、その間に茶碗を冷ますように、筒茶碗の点前でも、茶巾を絞りなおしている間に、茶碗の中にお湯を入れて温めます。
扱いは、茶碗の胴を持ち、運び出ししますが、斜め上を持つよう指導する先生もいらしゃいます。
茶碗の拭き方が、普通とちがいます。人差し指と中指で茶巾をはさみ茶碗の底に入れます。指を離さずに底を左、右、中央と拭き茶巾を茶碗の中央に置き、点前の輪を人差し指と中指ではさみ輪を外にして縁にかけ、3度回して拭いたら茶碗を茶巾ではさんだまま、膝前に置き、左手は添えずに茶巾を上に抜き取ります。
右手の指で茶巾を整え釜の蓋の上に置きます。
このときが普通と全く違いますので、筒茶碗の扱いで面白い箇所です。
筒茶碗の扱いは1年でほんの1ヶ月くらいですので、忘れている事が多く、必ず先生から指摘されます。そのたびに あ!そうだったと思い出す人が多いようです。
茶碗のお湯を捨てる時は、底全体をしっかり持ち、お湯や水をこぼした方が安全だと思います。
客の作法としては、薄茶を頂く順序は同じですが、茶碗の持ち方が違うだけです。
普通持つ時は、斜め上から持ち、お茶を頂くときは、しっかりと茶碗の胴を右手で持ち左手で受けます。
厳冬の時期に温かくもてなそうと茶碗を細く、深くした先人の知恵には、この筒茶碗を拝見するたびに感心させられます。
コメント
コメント一覧 (2件)
はじめまして、
お稽古を始めて半年です。(裏千家)
先週と先々週と筒茶碗でお稽古しましたが、この時節だけのお茶碗なんですね、なるほどと思いました。
着物を着たいがために始めたお茶でしたが、今は良い先生に恵まれ、お茶に出会えて本当に良かったと思っています。
また、読ませていただきます。
>こんばんは
お茶のお稽古をはじめて半年ですと、何をしても新鮮でしょうね。
筒茶碗の扱いは、ちょっと戸惑いますね。
先日、友達と「不景気の時世にお茶を楽しめるなんて家族に感謝しないと悪いね」と話しました。いつまでも楽しみたいですね。
着物は、私も大好きです。着物を着ると背筋がしゃんとなるようです。