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葉蓋|処暑の頃に

朝のうちに、庭へ水をやりました。

このごろは草取りまで、なかなか手が回りません。

大きく育った葉に水が落ちて、ころころと玉になります。

きれいだなと思って、パチリ。

その葉を見ているうちに、先日のお稽古の葉蓋を思い出しました。

目次

葉蓋とは

葉蓋は「はぶた」と読みます。

水指の蓋に、木の葉を使うことです。 風炉の季節の中でも、暑い頃のお点前です。

焼物や塗物の蓋ではありません。 みずみずしい一枚の葉が、水指の上にのっています。

それだけで涼しく見える。 面白いですね。

葉は水指の口に合う大きさのものを選びます。 梶や蓮など、大きな葉が使われるようです。

何の葉でもよいのかと思いましたが、そう簡単でもありません。 小さければ蓋になりません。 弱い葉は、すぐにしおれてしまいます。

葉蓋は、使う直前の葉の姿をいただくものなんですね。

師匠に言われたこと

昔、義母である師匠が葉を選んでいたことがあります。

私は大きければよいのだろうと、生意気に思っていました。 師匠は葉を裏返したり、茎を見たりしていました。

「道具になる葉を選びなさい」

そのようなことを言われたと思います。

その時は意味がよくわかりませんでした。

長い年月がたって、少しわかるようになりました。 虫食いも葉の景色になります。 けれども、水指の蓋として困るほど傷んだ葉ではいけません。

自然のままに見えて、きちんと選ばれている。 難しいです。

一枚の葉を畳む

お点前では、水指から葉を取ります。 そして葉を畳んで扱います。

初めて見た時は驚きました。 今まで蓋だった葉が、手の中で小さくなるのです。

葉の上の水滴も涼しげでした。

うまく畳めず、葉がこちらを向いたり、茎が収まらなかったり。 何度しても自信がありません。

生の葉ですから、一枚ずつ違います。 そこが葉蓋の面白さかもしれませんね。

秋近し

午後、美月がやって来ました。

庭の大きな葉を見つけて、 「これ、お皿にできるよ」 と言いました。

葉蓋のことは知りません。 それでも葉を何かに見立てるところは、昔の人と同じです。

子どもの目は楽しいですね。

夕方になると、風がほんの少し変わりました。 火鉢のメダカも水面近くに集まっています。

暑い暑いと言いながら、季節は動いているのでしょう。 晩夏の葉を見られるのも、あと少しです。

今度のお稽古では、葉の姿をもう少しよく見てみようと思います。

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