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茶道の用語一覧|読み方と意味から、お茶の言葉に親しむ

「点前」は読めても、「濃茶」で少し迷う。耳で聞けば知っている言葉なのに、漢字になると見慣れないものに感じることがあります。お茶の言葉は、読み方がわかるだけで、ほっとするところがありますね。

用語とは、その分野で使う言葉のことです。茶道なら、道具の名前だけでなく、人の役目や場所、お茶を差し上げる時の動作にも名前があります。秋分の今なら、風炉という言葉もよく目にするでしょう。全部を覚えようとせず、今知りたい一語から読んでいただければと思います。

目次

茶道 用語 一覧|よく聞く言葉の読み方と意味

初めに、お茶の案内や稽古の説明に出てくる言葉を挙げます。似た字が並びますが、何を指すかは少しずつ違います。

  • 点前(てまえ):道具を整え、茶を点てて客に差し上げ、しまうまでの一連の所作。普段は「お点前」ともいいます。
  • 薄茶(うすちゃ):抹茶に湯を加え、茶筅で混ぜて点てるお茶。濃茶よりさらりとしています。
  • 濃茶(こいちゃ):薄茶より抹茶の割合が多く、とろりとしたお茶。「濃茶を練る」といいます。
  • 亭主(ていしゅ):その席を設け、客をもてなす人。
  • 正客(しょうきゃく):客の中で中心となり、亭主との受け答えなどを担う人。
  • 末客(まっきゃく):客の並びの最後に座る人。席に応じて、ほかの客を助ける役目もあります。
  • 席入り(せきいり):客が茶席へ入ること。
  • 拝見(はいけん):道具を、そこに込められた亭主の思いも受け取りながら鑑賞すること。
  • 水屋(みずや):お茶や道具の支度、片付けをする場所。
  • 露地(ろじ):茶室へ向かうための庭。
  • 茶事(ちゃじ):少人数の客を招き、懐石や濃茶、薄茶などでもてなす正式な茶の集まり。
  • 茶会(ちゃかい):茶を通して客をもてなす集まり。菓子と薄茶をいただく席など、色々な形があります。

濃茶も薄茶も、使うのは抹茶です。濃茶という別の葉を急須に入れるのではありません。表千家不審菴の用語集でも、濃茶はとろみのある濃さにし、「練る」と表されています。初めは量を細かく覚えるより、同じ抹茶から違う口当たりのお茶になると知っておくとよいですね。表千家不審菴「濃茶」

私は、名前の説明の中にまた知らない言葉が出てくると、そこで読むのが止まります。水屋なら支度をする場所、亭主なら迎える人。そのくらい短い意味をつかんでから、続きを読むほうが入りやすいと思います。

茶事と茶会、正客と亭主はどう違うのでしょう

茶事と茶会は、どちらもお茶の集まりですから、文字だけでは違いがわかりにくいですね。

茶事では、懐石という食事や菓子をいただき、途中に休憩を挟んで、濃茶や薄茶へと進みます。この休憩を中立(なかだち)と呼びます。立ったまま待つという意味ではなく、客がいったん席を出て休む時間のことです。表千家不審菴の「茶事」にも、こうした一連の流れが紹介されています。表千家不審菴「茶事」

茶会という言葉は、もっと広く使われます。大勢の客が席を巡る大寄せ(おおよせ)もその一つです。案内に茶会と書いてあるだけで、食事が付くとは限りません。言葉の意味を知ったうえで、その催しの内容を見る必要があるのですね。

人の呼び名では、亭主と正客が対になると考えると、話のやり取りを追いやすくなります。亭主は迎える側。正客は招かれた側です。亭主は男性だけを指す言葉ではなく、女性が席を設ける時も亭主と呼びます。

また、末客は最後の席だから気楽、というわけでもありません。道具の扱いなどで役目を受け持つ場面があります。名前がわかったからといって、すぐその役を引き受けなくてもよいのです。初めてなら、座る場所は席の方に教えていただきましょう。

私は、役目まで添えて言葉を伝えたいと思います。「最後の人」だけでは、肝心なところが抜けてしまいますから。

お点前を見る時に出会う、道具の名前

お点前の説明を読むと、茶杓、茶筅、茶巾と「茶」の字が続きます。字面は似ていても、手に持った姿はまるで違いますね。

抹茶をすくう細い匙が茶杓(ちゃしゃく)。茶碗の中で抹茶と湯を混ぜる、竹の穂の道具が茶筅(ちゃせん)です。茶筅は「茶筌」と書かれることもあります。どちらも、ちゃせんと読みます。

その抹茶を入れておく器には、薄茶でよく用いる棗(なつめ)と、濃茶で用いる茶入(ちゃいれ)があります。これは基本の組み合わせで、別の扱いをするお点前もあります。初めから例外まで一度に覚えると混ざりますので、実際に習う時に付け足していくとよいでしょう。

布の名前も二つ覚えておくと、説明が読みやすくなります。茶碗をぬぐう白い布が茶巾(ちゃきん)。茶器や茶杓を清める時などに使う布が帛紗(ふくさ)です。帛紗は「袱紗」「服紗」と書かれる場合もあります。

水を用意する器は水指(みずさし)、使った湯水を受ける器は建水(けんすい)。湯水を汲むのが柄杓(ひしゃく)です。柄杓の先の丸い部分には、合(ごう)という名前もあります。

小さな部分にまで名前がありますね。

全部を文字で覚えるのは、私にも骨が折れます。写真や実物を見る時に、読んだ名前を一つ当ててみる。そのほうが、言葉だけを何度も読むより残るように思います。

「拝見」は見ること。「銘」は名前のこと

道具の名前がわかってくると、今度は、その道具をどう見るかという言葉に出会います。

拝見(はいけん)は、ただ品物の値打ちを調べることではありません。形や色を味わい、なぜこの席に使われたのだろうと、亭主の心遣いにも目を向けます。表千家不審菴の説明では、手を触れずに見る道具と、定められた作法で手に取る道具があることも示されています。表千家不審菴「拝見」

見るという意味を知ることと、持ち上げてよいかを判断することは別なのですね。拝見と聞いたら何でも手に取る、と覚えず、その場の扱いに従ってください。

道具や菓子の話で聞く銘(めい)は、そこに付けられた名前です。茶杓にも銘があります。作者の名前を尋ねているのか、道具に付いた名前を尋ねているのかで、答えることが変わります。

秋なら、月や露、虫の音を思わせる銘から、季節を感じることもあるでしょう。形に秋の模様がなくても、名前を聞いて景色が浮かぶ。お茶の言葉には、物を見分けるためだけではない楽しみがあります。

私には、難しい読み方より、こういう名前のほうが心に残ることもあります。意味を全部説明できなくても、好きだなと思う言葉はありますね。

秋分の「風炉」と、言葉を覚える時のこと

風炉(ふろ)は、釜を掛けて湯を沸かすための道具です。基本として五月から十月に用いますので、秋分の今も風炉の季節です。風という字がありますが、風を送る道具ではありません。

茶道では、日常と違う読み方をする言葉があります。濃茶は「こいちゃ」、点前は「てまえ」。読みだけを先に覚えていて、あとで漢字と結びつくこともあるでしょう。知らない言葉を控える時は、漢字の横に読みを添えておくと、あとで探しやすくなります。

意味の説明も、長く写すばかりではくたびれます。人の役目なのか、場所なのか、道具なのか。自分が迷ったところを短く書いておけば、次に確かめたいことが見えます。聞き取れなかった言葉は、音を頼りに控え、先生に文字を教えていただいてもよいですね。

私は表千家のお茶を続けています。同じ道具の名前でも、流儀やお点前によって扱いが違いますので、用語一覧だけで手順まで決めないようにしたいです。言葉がわかったところから、実物や所作へつなげていくのでしょう。

秋の夜長に読むなら、沢山覚えようと欲張らず、今日は一語でも。次にその言葉に出会うのを、楽しみにしていたいと思います。

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