先日のお稽古で、はじめて来てくださった方から「懐紙って、どこに入れておくんですか?」と聞かれました。
そういえば私も最初の頃、全然わかりませんでした。お菓子の前にさっと出して、どこかに収めて…先輩たちの動きが不思議で不思議で。見よう見まねでやっていた記憶があります。
今日は、懐紙のことを少し書いてみようと思います。初心者の方によく「懐紙って何ですか?」と聞かれるので、私なりにお伝えできればと思いまして。
懐紙(かいし)とは?
懐紙というのは、和紙を折りたたんだ小さな紙のことです。「懐(ふところ)に入れる紙」と書くくらいで、着物の胸元にすっと入れて持ち歩くのが本来の姿です。
大きさは、女性用のものだと横15センチ前後、縦7〜8センチほど。男性用はもう少し大きいです。折りたたんだ状態で販売されていて、何枚かが重なっています。
お茶の席では、さまざまな場面で使います。一番よく使うのはお菓子をいただくときですが、それだけではないんですね。
お菓子のいただき方での使い方
茶席でお菓子が回ってきたとき、まず懐紙を出して膝の上に広げます。そこにお菓子をのせてから、菓子皿を次の方へ回す。これが基本の流れです。
菓子切り(ようじ)でお菓子を切ってお口に入れ、食べ終わったら懐紙を折りたたみます。食べかすが外から見えないように、内側に折り込むのがお作法です。
師匠からは「菓子切りについた汚れは、懐紙で丁寧に拭いてから懐紙ごと持ち帰るものよ」と言われていました。お皿の上に汚れた菓子切りを置いて戻すのは、よくないんですね。最初はそんな細かいところまで気が回りませんでしたが。
お菓子の種類によって、切り方に迷うこともあります。柔らかい練り切りならすっと切れますが、落雁のような干菓子の場合は懐紙の上で軽く割ったりすることも。季節のお菓子の選び方については、こちらの記事にも書いていますので、よかったらどうぞ。
懐紙を入れておく場所は?
着物のときは、胸元の懐(ふところ)に入れます。これが一番美しい持ち方です。
洋服のときは、懐がないのでどうしようかと思いますが、袱紗ばさみや小さな和風のバッグに入れて持参する方が多いですね。稽古場によっては、持ち物の決まりがある場合もあります。
懐から出すとき、もたもたしているとちょっと恥ずかしい気持ちになります。私も長いことやっていますが、急いでいる時はうまく出せなくて焦ることがあります。慣れるまでは仕方ないですよね。
お菓子以外での使い道
懐紙の使い道は、お菓子だけではありません。
茶碗を拭くとき(帛紗とは別に使います)、点前の最中に少し汗をかいたとき、何かをメモしたいとき。昔の方は懐紙にさらさらっとお歌を書いたり、お相手にお渡ししたり、いろんな使い方をされていたようです。
今でも、稽古の覚え書きを懐紙にメモする方がいます。小さなノートみたいな感覚ですね。師匠が何か大事なことをおっしゃったとき、すぐ懐紙に書いて持ち帰る。あとから見返すと、そのときの稽古の空気も蘇るような気がします。
何枚持っていけばいいの?
これも初心者の方からよく聞かれます。
だいたい10枚〜20枚くらい束になって売っていることが多いです。稽古の場に一束持っていけば、まず足りないということはないと思います。
お茶会では、お菓子が複数回出ることがありますし、その都度使います。少し多めに持っておくほうが安心です。
懐紙は和紙のお店や、茶道具屋さんで買えます。デパートの和雑貨コーナーにも置いてある場合があります。最近はネットでも手軽に購入できるので便利になりましたね。
柄もいろいろあって、無地のもの、季節の草花が印刷されたもの。稽古では無地が無難ですが、お茶会に合わせて季節の柄を選ぶのも楽しいです。
まず一度、手にとってみてください
懐紙を初めて手にしたとき、こんなに薄くてやわらかい紙なんだなあと思いました。
でも、使い方を覚えると、お稽古の場での動きがぐんとすっきりします。お菓子の席で懐紙をさっと出せると、なんだか茶道に一歩近づいた気がするもので。
お点前の流れの中でどのタイミングで使うのか、もう少し知りたい方はこちらも参考にしてみてください。
次のお稽古では、また自分でもしっかり確かめてみようと思っています。45年やっていても、こういう小道具の扱いは、折々に気になることが出てくるものですね。

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