茶巾のたたみ方は、見ていると簡単そうです。白い麻の布を細く折り、もう一度折る。それだけのようですが、いざ自分でしてみると、端がそろわなかったり、どちらが上だったかわからなくなったりします。
今は風炉の季節です。処暑を過ぎても残暑は厳しく、水を含ませた茶巾に触れると、指先だけ少し涼しくなります。夏の洗い茶巾では水に浸した姿も見せますが、いつものお点前でも、茶巾はきちんとたたんで茶碗に仕組みます。
茶巾とは
茶巾(ちゃきん)は、お点前で茶碗を清める白い布です。湯で温めた茶碗の内側や口をぬぐう時に使います。
麻の茶巾がよく使われ、大きさは広げると横が三十センチほど、縦が十五センチほどです。小さく見えますが、広げると案外横長なんですね。
使う前には水で清め、固く絞りすぎないようにします。水がぽたぽた落ちるのは困りますが、乾いた布のようになっても茶碗になじみません。この加減が、私は今でも難しいと思います。
茶巾のたたみ方
茶巾のたたみ方は、習っている流儀や先生の教えによって細かな違いがあります。ここでは表千家で私が覚えてきた、基本の考え方を書きます。
水で清めて絞った茶巾を、横長になるように広げます。しわを全部伸ばそうと引っ張らず、布の形を静かに整えます。
横長の茶巾を、長い辺に沿って三つ折りにします。下側を折り上げ、上側を重ねて、細長い帯のような形にします。幅がでこぼこにならないよう、布の端を見ながら重ねます。
細長くなった茶巾を、今度は決められた長さに折り返します。茶碗の中へ収めやすい、小さな長方形になれば、たたんだ姿が見えてきます。
折り目を爪で押さえつける必要はありません。ふんわりしすぎても扱いにくいのですが、ぺたんと固めるものでもない。清潔に、形よく、次の動作で取りやすくしておくことが大切だと思います。
言葉だけでは、右からだったか左からだったか、かえって迷うかもしれませんね。向きや折り返す順は流儀によって違うことがありますので、お稽古では先生の手元をよく見て確かめてください。
茶碗にはどう入れるのでしょう
たたんだ茶巾は、お点前を始める前に茶筅、茶杓とともに茶碗へ仕組みます。
茶巾は茶碗の内側に沿わせるように入れます。ただ押し込むのではなく、取り出す時に自然に手が掛かる向きに置きます。折った端がどちらを向くかにも決まりがあります。
初心者の頃は、茶碗の中に収まればよいと思いがちです。私も形ばかり見ていました。けれど、お点前が始まると、茶巾は取り出され、広げられ、茶碗をぬぐい、またたたまれます。次の動きまで考えて仕組まれているんですね。
面白いです。
うまくたためない時に見るところ
茶巾が小さくまとまらない時は、初めの三つ折りの幅がそろっているかを見ます。ここが斜めになると、あとで折り返しても端が落ち着きません。
布に水分が多すぎる時も、形が崩れやすくなります。反対に絞りすぎると、しわが強く残って扱いにくいものです。私は手順を忘れたと思っていたら、絞り方が違っていただけ、ということもありました。
急いで折ると、指先に余分な力が入ります。茶巾は小さいので、ごまかせそうに見えて、ごまかせません。端の乱れも、力の入りすぎも、そのまま姿に出ます。
長くお茶を続けても、中々思うようにはなりません。
洗い茶巾では、たたむ姿も涼しさになります
洗い茶巾は、暑い風炉の時季に行うお点前です。口の広い平茶碗に水を張り、その中へ茶巾を入れておきます。
お点前の途中で、水から茶巾を取り上げて絞り、たたみます。いつもは水屋で済ませておく扱いを、お客様の前で見せるところに、このお点前の涼しさがあります。
水を含んだ白い布。指先から落ちる雫。茶巾が少しずつ小さく整っていく姿。
冷房のなかった時代には、そのような小さな水の景色からも涼を感じたのでしょう。洗い茶巾と夏が結びついているのは、ただ茶巾を洗うためではないんですね。
茶巾のたたみ方を覚える時も、形だけを急いで作らず、水や布の様子を見たいものです。秋近しとはいえ、九州の暑さはもう少し続きます。残暑の間にもう一度、指の運びをゆっくり確かめてみようと思います。

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