昨日は、久しぶりに建水まで出して、風炉点前の割稽古をしました。まだ右ひざに違和感がありますので、椅子に腰掛けて、無理をせず手の動きだけ確かめました。
しばらく道具を眺めるだけでしたから、柄杓と蓋置を仕組んだ建水を左手に持つと、何だか懐かしい。ところが始めてみると、建水を置く位置で手が止まりました。
こんなに長くお茶をしていても、中々覚えません。
建水とは何でしょう
建水は「けんすい」と読みます。お点前で茶碗を清めた湯や水を捨てるための器です。「こぼし」と呼ぶこともあります。
お茶碗や棗のように、お客様によく見ていただく道具ではありません。水屋道具に近いものとして、なるべく低く、目立たないように扱います。そのため建水を持つ左手も、高く上げないようにします。
華やかな役目ではありませんが、ないとお点前は進みません。
面白いですね。
前へ出し、終われば引く
風炉点前では、建水を左ひざの脇に置きます。お点前を始める時に、建水を少し前へ進めます。終わりに近づくと、また手前へ引きます。
この「進める」「引く」が、久しぶりだともたつきました。建水ばかり見ていると手つきが大げさになります。何気なく、静かに扱うのが難しいです。
昔、義母から「建水を大事そうに持ち上げない」と言われたことがあります。その時は、道具なのだから丁寧に持つほうがよいのでは、と思っていました。少し生意気でしたね。
丁寧にすることと、目立たせることは違うのでしょう。
湯を捨てる時も、茶碗を建水の真上まで運ぶのではなく、膝前で傾けます。建水は低いところで、その水を受けます。湯を勢いよく落とすと音も大きくなりますので、静かに捨てたいものです。
見えないところにお点前が出る
建水は陰の道具のようですが、その扱いには、その人のお点前が出るように思います。位置が遠すぎれば手が伸びます。近すぎれば窮屈です。置く音が大きいと、せっかくの静かな席がそこで途切れてしまいます。
昨日の私は、進める時に少し持ち上げすぎました。義母が見ていたら、きっと何も言わずにこちらを見たでしょう。あの厳しい目を思い出すと、今でも背筋が伸びます。
風炉の季節も進み、晩夏の道具に触れる時間が惜しくなってきました。ひざと相談しながらですが、今年もこうして実際に手を動かせたことがうれしいです。
次のお稽古では、建水を目立たせず、静かに扱えるか、もう一度確かめてみようと思います。

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