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世界で抹茶がブームだそうです

暑い日が続きます。
この時季は、冷たいお水で点てるお薄もおいしいですね。
氷をひとつ浮かべると、見た目にも涼しくて、お客さまにも喜ばれます。

点て方は、難しくありません。
いつもより少し細かく、しゃかしゃかと茶筅を振るだけ。
それでも、ふんわりとした泡が立ちます。

夕方のニュースで、抹茶のことをやっていました。
いま、世界中で抹茶がブームなのだそうです。

マッチャ、マッチャと、海外の若い方が嬉しそうに飲んでいる。
その様子を眺めながら、なんだかこそばゆい気持ちになりました。

目次

世界で「マッチャ」

気になって、少し調べてみました。
去年の抹茶など粉末のお茶の輸出は、603億円だったそうです。
前の年のおよそ2.2倍とか。

アメリカやヨーロッパだけではありません。
アジア全域、中東、南米にまで広がっているそうです。

お値段も、1キロあたり6927円ほどと、前の年の1.3倍だとか。
お茶どころの皆さんは、さぞお忙しいことでしょうね。

砂漠の国でも、抹茶が飲まれている。
想像すると、不思議な気持ちになりませんか?

ずいぶん前から、海外でお茶を教えていらっしゃる先生方もおられます。
そうした長年の種まきが、いま芽を出しているのかもしれませんね。

45年、点ててきて

私は45年、お茶を続けてきました。
正直に言うと、お茶の何が好きなのか、いまだによくわかりません。
それでも毎日のように茶筅を振っています。

先日、稽古仲間のお友達ともこの話になりました。
「私たちのお茶が、はやりの最先端ですって」
そう言って、二人で笑いました。

そういえば昔、お茶会で海外からのお客さまにお運びしたことがあります。
言葉が通じるだろうかと、ずいぶん緊張しました。
でも、お茶を差し上げると、にっこりと会釈してくださって。
言葉がなくても伝わるものはあるのだと、嬉しくなったのを覚えています。

義母がよく言っていました。
「お茶は、誰かに一服差し上げるためのものですよ」と。
世界の人たちも、誰かと一緒に飲んでいるのでしょうか。
それなら、お茶の心とそう遠くない気がします。

ラテになっても、ソーダになっても

ニュースでは、抹茶のラテや抹茶のソーダの話もしていました。
缶をあけると抹茶の泡が楽しめる、そんな飲み物も出るのだとか。
コーヒー、紅茶に続く「第3のカフェ飲料」にしたいのだそうです。
大きく出ましたね。でも、なんだか応援したくなります。

正直、最初は「あらあら」と思いました。
茶筅も帛紗もないお抹茶に、少し戸惑ったのです。

お友達のお孫さんは、カフェの抹茶ラテが大好きだそうです。
「おばあちゃんのお茶も飲んでみたい」と言ってくれたとか。
そんな話を聞くと、ブームも悪くないなと思います。

でも、考えてみれば、入り口はどこでもいいのかもしれません。
ラテから入って、いつか茶筅で点てた一服にたどり着く方が、一人でもいらしたら。
それはとても素敵なことだと思います。

少しだけ心配なこと

ブームの裏で、原料のお茶が足りなくなっているそうです。
そういえば、お稽古で使う抹茶のお値段も、この頃少し上がった気がします。

お茶の木は、一朝一夕には育ちません。
作ってくださる方があっての、私たちの一服です。

私にできることは、いつもの一服を丁寧にいただくことくらいでしょうか。
一杯のお茶の向こうに、茶畑の緑を思い浮かべながら。

庭では、木槿が咲き始めました。
朝に咲いて、夕方にはしぼんでしまう、一日だけの花です。
それでも毎朝、新しい花を咲かせてくれます。

今日も、自分のために一服点てました。
世界のどこかで、同じように茶筅を振っている人がいる。
そう思うと、いつもの一服が、少し楽しくなりました。

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