茶道具の中で、茶碗は特別な存在です。
茶碗を選ぶとき、見た目の美しさはもちろんですが、手に持ったときの感触、重さ、口当たりも大切にします。実際に手に取ってみないとわからないことが多く、茶道具屋さんを訪ねるときの楽しみのひとつになっています。
夏と冬では使う茶碗も変わります。夏は浅くて広い「平茶碗(ひらちゃわん)」が涼しげでよく使われます。冬は深くてお湯が冷めにくい形のものを選びます。同じお抹茶でも、茶碗ひとつで印象がまるで変わります。
長年集めてきた茶碗の中に、それぞれに思い出があります。どこで手に入れたか、誰と一緒に選んだか。茶碗を眺めていると、そういった記憶が蘇ってきます。
道具に歴史が宿る、というのはこういうことかもしれません。

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