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木守 「きまもり」

先日友達から、山本兼一の「利休にたずねよ」の本が届きました。
早速目次をひろげると、「木守」徳川家康のページがあった。
その中の一節です。

膝の前で、茶碗をながめた。赤い肌に、おぼろな黒釉が刷いたようにかかっている。
「銘はなんというのかな」
「木守でございます」
秋に柿の実をとるとき、来年もまた豊かに実るよう、ひとつだけ取り残す実が、木守である。赤い茶碗のなにがその名につながるのか。
「はて、銘の由来はなんであろう」
利休にたずねた。
「他愛もないことでございます。長次郎の焼きました茶碗をいくつも並べ、弟子たちに好きなものを選ばせたところ、これひとつが残りました」
なるほど、と、家康はみように合点がいった。
この男は、稀代の騙りである。
いまの答えで、利休こそ天下一の茶人と称されている理由が納得できた。

我が家の「木守」はすずめがやってきてきれいに食べてしまった。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (1件)

  • あけましておめでとうございます。
    家を新築するにあたり、四畳半の茶室を作ることになりました。たぶん大工仕事は最後の工程になると思いますが、表千家で床の間天井の、花蛭釘を打つ位置についてぜひ教えていただきたいです。台目床になります。床の間口1/3の位置で、鉤先はどの向きになるのでしょうか?

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